翻訳家になるために必要なスキル、ふたつ目は深い知識です。
【専門知識】
出版翻訳であっても実務翻訳であっても、翻訳するテーマについての専門知識は必要不可欠です。
例えば、同じひとつ単語でも、分野が違えば異なる意味を持つことがあります。
そのふたつの意味を知っていたとしても、その分野に関する専門知識がなければ、どちらの意味で訳すのが正しいのか判断がつきかねることになるでしょう。
まずは原文の内容を、その背景や用途や対象も含めて深く正しく理解できることが最も重要です。どんな場面で、どんな時に、誰に対して書かれたものなのか、そこを理解せずにただ表面的に単語の意味だけを並べて組み合わせたものは、ただの直訳であって翻訳とは呼べません。
また翻訳後の言語にも分野によって特定の言い回しがあったりする事も多々ありますので、双方の言語での専門知識が必要となります。
あらゆる分野に精通した超人的な知識を持つ天才翻訳家というのは存在し得ませんが、せめてひとつくらいは「この分野ならば」と自信を持って言えるような得意分野を持ちたいものです。
しかしどんなに豊富な専門知識を持っていたとしても、分からない言葉は必ず出てきます。
そんな時に瞬時にそれ調べる事ができる能力とその手段が必要です。
辞書やインターネットなど、ツールを迅速かつ的確に活用することも、翻訳家の大事な能力のひとつと言えるでしょう。